*◇*最低な私*◇*

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「そんなにシンに似てる?」 と聞いて来る優先生に、私はコクリと頷いた。 「そうだよね」 静かな時間、星空を見ながら私は、先生の事で頭がいっぱいだった。 先生に会いたい……。 それだけで、頭がいっぱいだった。 (似てるけど……先生じゃないもんね……) そう思い、また優先生の事を見た。 優先生は目を閉じて黙っていた。 (また、寝てるのかな……) 優先生の横顔……キレイな形の鼻……サラサラな髪、唇……まつげ。 私はいつの間にか、手を伸ばしていた。 無意識のうちに、優先生の頬に触れていた。 先生に似てるから悪いんだ……。 先生に似てるから。 「何? 木下さん」 と、そんな私の行動に優しく聞いてくる声で、私は現実に戻される。 「あっごめんなさい」 少しだけでも、先生といるんだって擬似体験したかったのかもしれない。 先生と一緒にいるんだって、思っていたかったのかも……。 「なんだか、先生に似てるから、ちょっと優先生を先生だと思い込みたかったのかも……」 と私がポツリと言うと、 「そうかぁ……」 といい、私の頭を優しく撫でる優先生。 (行動も先生に似てる……) なんだか、本当に錯覚しちゃうよ。
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