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「……」
「……」
お互い何も話さないまま、私達は駐車場についた。
気まずくて気まずくて……。
どうしたらいいのか、わからなかった。
「亜紀、なんか変な感じだな。何を話したらいいのかわかんねぇ~」
という相沢先生、そんな相沢先生の言葉に、私は頷くので精一杯だった。
「俺が送ってくからさ……俺の車にのってな」
と言ってくるけど、私はどうしようと迷った。
なんだか、このまま気まずいのも嫌だから、ちゃんと話さないといけないと分かっているけど、あの気まずい空気が嫌で、逃げ出したいっていう気持ちもある。
(どうしよ……)
と少し悩んだ後、私は小さくコクリと頷いた。
ちゃんと、話さなきゃって……。
その時、
「ごめんごめん」
と、優先生が小走りでやってきた。
「おっそい」
という相沢先生に、優先生はいたずらっぽい笑顔を見せていた。
「じゃあ、帰る? 木下さんは俺と」
と、優先生が言いかけた時、
「大丈夫、俺が送っていくから」
と相沢先生が優先生の言葉を遮った。
それを聞いて、
「そっか、じゃあよろしく」
と、相沢先生の肩を叩いた後、
「またね」
といい、優先生はすぐに車に乗った。
「さようなら」
「またな」
そして、私達は優先生と別れた。
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