*◇*最低な私*◇*

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「着いたぞぉ~」 と車を停めた相沢先生は、すぐに車から降りた。 それに続いて私も車を降りる。 その瞬間に潮の香りが私を包んだ。 (海のにおいだ……) 深呼吸をしていると、 「よしっ砂浜おりるぜぇ~」 と相沢先生は、歩きだした。 私はそれに付いていく。 相沢先生とこの海に来るのは、優先生と3人で来た時以来だよね……。 あの時は、先生の知らない過去を知って、涙が止まらなかった。 あの時、相沢先生はそんな私を慰めるように、優しく手を握ってくれていた。  あっ違う……私が先生にフラれた時も相沢先生とこの海にいたや……迎えにきてくれたんだよね。 記憶が頭の中を支配して、前をいく相沢先生の背中に、 (ありがとう) と、心の中でお礼を言った。 「階段だぞ! 手つなぐか?」 と言ってくる相沢先生に、 「大丈夫ですよ」 と言っても、 「だめだめぇ~、暗いから大事なお姫様を守らなきゃ、細川に怒られちゃうから手!」 と、私の手をいきなり掴むとゆっくりと階段を降り始めた。 (先生に怒られるか……) また複雑な気持ちになった……相沢先生は、私といて……。 (私といて、苦しくないのかな……)
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