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「じゃあな」
「ありがとうございました」
そして、私は相沢先生といつもの様に別れた。
車を見送り家に入ると、母さんがテレビを見ていて、一声かけてから部屋に上がった。
その後、ごはんとお風呂を済ませて、私はベッドの上に座り髪を乾かしながら、今日の出来事を思い出していた。
紗香さん……相沢先生の事……。
私じゃどうにも出来ないけど、考えてしまう。
それから、相沢先生の気持ち……。
答えられない、この胸の苦しさ……。
そんな事を考えていたら、携帯がなった。
着信は先生から。
「もしもし」
と、すぐに電話を取ると、
『亜紀?』
と私の名前を呼んでくれる先生の声は、私を優しく包んでくれて、私を落ち着かせてくれる。
「先生……」
と私が呼ぶと、
『ちょっと元気ないな、何かあった?』
と聞いてくる先生は、私の事をものすごく分かってくれてるんだ。
ただ……私が分かりやすいだけなのかな?
「元気ですよ」
と私が嘘をついたら、
『そうか、嘘が下手だな。話したくなったら話してな』
と、私の嘘を見破って、無理矢理は聞いて来ない。
「ねぇ先生?」
『ん?』
ねぇ……私は、今貴方に甘えたい。
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