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「亜紀って呼んで」
とお願いをすると。
『亜紀』
と呼んでくれる。
「もう１回」
『亜紀……』
貴方に名前を呼ばれるだけで、私の中は幸せでいっぱいになって、やな事も苦しい事も、忘れていられる……。
「先生ありがとう」
そう言うと、
『亜紀は呼んでくれないのか？』
と先生は、私に意地悪を言うんだ。
「えっ!?」
『俺の事、シンって』
と言ってくる先生の声に、なんだか恥ずかしくなって、体中が熱くなったきがした。
「なんか……恥ずかしい」
そう言うと、
『呼んでほしいな、先生じゃなくて“シン”って』
「……」
（恥ずかしいよ……）
『ん？』
と急かしてくる先生の声に、
「シン……」
と呼んだ。
すると、先生は。
『嬉しい』
と言ったんだよね。
なんだか恥ずかしくて、名前で呼ぶのは、やっぱりなれないや。
『あっ！ そう言えば、学校見学どうだった？』
と言われて、私は相沢先生たちの事を思い出した。
「楽しかったですよ」
と心とは裏腹に答える私。
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