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『じゃあ、教えとくな』
と先生が言って、その話しは終わった。
しばらく、他愛もない話しをした、最近の学校での事とか、バイトの事とか。
そして、父さんの話しにもなった。
『亜紀は、あれから父さんと話した?』
と聞いてきた。
先生が家に来て、父さんに私がひどい事を言ってから、私は父さんと時間が合わなくて、全然話しをしていない。
会ったとしても、父さんは忙しそうで話しを切り出す事ができなかった。
「それが……なかなか話しが出来なくて」
と私がいうと、先生は少しずつでもいいから、ちゃんと話すんだぞって、優しく言ってくれた。
「うん……」
そして、
『亜紀……』
「ん?」
『あのさ……』
と、何か言いたそうな先生。
「なんですか?」
と聞くと、
『やっぱいいや』
と話すのをやめた。
「えっ!! きになるぅ~」
と私が不満の声をあげると、
『気になるか? じゃあ言わない』
と先生は意地悪を言ってきた。
「言ってぇ~」
と私が言うと。
『亜紀、好きだよ』
といきなり言うから、とても嬉しくて、恥ずかしくて。
声が出なかった。
胸がきゅんとして……。
一気に体温が上がった気がした。
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