*◇*最低な私*◇*

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貴方の言葉は、私をもっと好きにさせる……。 『亜紀は?』 と聞かれて、私は恥ずかしくて、 「私も……」 と答えた。 これが精一杯……今、『好き』と言えたなら、私の好きはものすごく溢れて……きっと、泣いてしまうだろう。 好きすぎて……『会いたい』という気持ちが強くなって、全てを伝えたくなって……触れたくなるから。 『なぁ亜紀……そっちは晴れてる?』 そう聞いてくる先生に、私は外を見た。 夜空には星が輝いていて、月が一番存在感を持っていた。 「晴れてますよ……」 すると、先生は。 『月みえるか?』 と聞いてきて、 「うん」 と私が答えると、 『俺は今……亜紀と同じ月を見ているんだな』 とボソッと言った。 先生も沖縄でこの夜空を見上げているんだ……。 『寂しいか?』 ねぇ……寂しくないわけがないじゃない。 「当たり前だよ……」 私は、先生とずっと一緒にいたくて、貴方を想う度に寂しくなる……。 貴方は月みたいに、手を伸ばしても届かない場所にいる……。 『亜紀は月みたいだよな……』 そう言う先生に、もしかして先生も同じ事を考えているんじゃないかと思った。 すると、 『いつも……俺を癒してくれて、照らしてくれる……』 そう言った。
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