*◇*最低な私*◇*

21/24
前へ
/35ページ
次へ
ねぇ貴方の想う月(わたし)と……。 私の想う月(あなた)がこんなにも違うのは、私がまだ子供だからなのかな。 『亜紀には癒されるよ……』 先生は、私を月に例えて癒されるという……。 でも、私はそんな風に思えなくて、寂しくなるんだ…… (やっぱり先生は大人だな……) こんな時、少しだけ先生との距離を感じる。 『亜紀……?』 私が少し黙っていたからか、先生は私の名前を呼んだ。 「あっごめんなさい」 と、謝ると、 『どうした? 悩みごとか?』 と聞いてくる。 先生のそんな言葉にものすごく甘えたくなる……。 「悩み事じゃないです。ただ先生に会いたいなぁって考えてただけです」 でも、今甘える事は先生を困らせるんだよね。 だから……あまり甘えちゃいけない……。 私も大人にならなきゃいけない。 『俺も会いたいよ』 寂しい気持ちを隠すために、私は明るく話した。未来の事を、 「先生! 夜景見に行こうね」 『あぁ』 「海にも行こうね」 『あぁ』 先生、本当は寂しくてたまらなくて……私はいつでも精一杯なんだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加