15人が本棚に入れています
本棚に追加
ねぇ貴方の想う月(わたし)と……。
私の想う月(あなた)がこんなにも違うのは、私がまだ子供だからなのかな。
『亜紀には癒されるよ……』
先生は、私を月に例えて癒されるという……。
でも、私はそんな風に思えなくて、寂しくなるんだ……
(やっぱり先生は大人だな……)
こんな時、少しだけ先生との距離を感じる。
『亜紀……?』
私が少し黙っていたからか、先生は私の名前を呼んだ。
「あっごめんなさい」
と、謝ると、
『どうした? 悩みごとか?』
と聞いてくる。
先生のそんな言葉にものすごく甘えたくなる……。
「悩み事じゃないです。ただ先生に会いたいなぁって考えてただけです」
でも、今甘える事は先生を困らせるんだよね。
だから……あまり甘えちゃいけない……。
私も大人にならなきゃいけない。
『俺も会いたいよ』
寂しい気持ちを隠すために、私は明るく話した。未来の事を、
「先生! 夜景見に行こうね」
『あぁ』
「海にも行こうね」
『あぁ』
先生、本当は寂しくてたまらなくて……私はいつでも精一杯なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!