*◆*学校見学*◆* #2

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「相沢先生!」 そう呼んでも、止まってくれない相沢先生は、右に曲ったり左に曲ったり、そして行く先が突き当たりだとわかると、足を止めた。 どれくらい引張られてきたのか、もう辺りに人の姿はない。 そこには、私と相沢先生……そして、私達を追いかけてきた紗香さんの姿。 私はちょっと肩を揺らしながら、早くなる心臓をおさえようと深呼吸した。 「……」 「……」 誰も何も話さない、紗香さんに背を向けている相沢先生に、相沢先生の背中を見つめる紗香さん。 「良樹……」 と呼ぶ紗香さんの瞳には、相沢先生しかうつっていないみたいで、私は相沢先生の側から離れた。 紗香さんの方を向こうとしない、そんな相沢先生の口から出た言葉は。 「もう、俺達はとっくに終わってるだろ? お前も早く恋をしてくれよ」 という言葉だった。 その時の相沢先生の顔は、私が見てきた中で一番の悲しい顔をしていた。 「そんな事いわないで……」 と今にも泣き出してしまいそうな紗香さん。 私はただ黙ってみていた。
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