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「お願いだ……」
「そんな事言われても……あきらめられないもん!!」
そう言うと、紗香さんは走ってどこかに行ってしまった。
その時、なんでだろう……私は追いかけていた。
「亜紀!」
と相沢先生は、私を止めようと声をかけてくれたけど、私は紗香さんを追いかけた。
そして、追い付いた時には、すっかり息があがっていて教室の中だった。
私はまずは息を整える事で精一杯で。
「なっんで、ついてくるのよ……」
と、チラッと見る紗香さんに、何も答えられなかった。
紗香さんは泣いていた……それを見て胸が締め付けられるように痛いのは……想いが伝わらない苦しさを私は知っているから。
「貴方がいなかったら……良樹は今でも私の側にいてくれたのに……」
ポタポタと床に落ちていく涙……。
私……なんと言ったらいいのか、分かんないよ……。
なんで、追いかけてきちゃったんだろう……。
(紗香さん……)
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