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相沢先生は私の側までくると、
「もう、帰るぞ」
と言った。
そして紗香さんに、
「俺は、お前が好きだった。だから、幸せになれよ。もう……連絡してくんなよ」
といい、私の手を引いて歩きだした。
「相沢先生!」
とちょっと怒りが込み上げてきたけど、相沢先生の力は強くて……。
引っ張られるまま教室を出た。
紗香さんは、その場で泣き崩れていた。
「こんなのないよ……」
と私は、相沢先生に引かれるまま歩く。
「なにが?」
と聞いてきた相沢先生、
「あんな事言うなんてひどいよ」
と、私の頬には涙がながれていた。
いくら、もう好きじゃなくなったからって、もう連絡してくるななんて……そんなの、つらすぎる……。
「じゃあ……俺はどうすれば良かった?」
そう言われて、私は何も返す事が出来なかった。
「なぁ?」
相沢先生はピタリと止まり、私を見た。
「俺は、好きじゃない紗香と一緒になった方が良かったのか?」
と悲しい顔して言ってくる相沢先生は、
いきなり私を壁に押し付けると、
「じゃあ、お前も俺の気持ちに答えてくれよ」
そう言った。
なんでこんなに涙が溢れてくるんだろう……なんでこんなに苦しくなるんだろう……。
「私は……」
相沢先生に、ひどいとか言える立場じゃないんだ。
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