*◆*抱擁*◆*

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それから、その日はずっと……私の目は、先生ばかりを探していた。 休み時間に見掛けても、先生は生徒に囲まれていて、その度に私は嫉妬していた。 (なんであんなに人気なのよ……) と、先生の周りにはキャピキャピの女の子ばかりだった。先生も普通に笑顔で、たのしそうだから、余計に嫉妬した。 「チーン、餅が焼けました」 そう言ったのは、一緒に歩いていたみきで。 「私がいるから」 とニコりと微笑んだ。 (みき……) なんだか嬉しくて、にこっと笑うと。 「あんまり無理するな、私がうざいってくらい一緒にいてあげるから、さみしくなくなれぇ~」 と、言われ。私は「うん」と頷いたんだ。 でも、正直……寂しいよ。 みきの優しさでも、この寂しさが埋められないなんて、私はなんて贅沢なんだろう。 ――昼休み。 沖縄からきている真奈美さんと、教室で話した。 メールなかなか送れなくてごめんね。と真奈美さんは謝っていた。 お父さんと喧嘩して、携帯を止められたんだとかで……繋がったらすぐにメールをくれると話していた。
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