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それから、その日はずっと……私の目は、先生ばかりを探していた。
休み時間に見掛けても、先生は生徒に囲まれていて、その度に私は嫉妬していた。
(なんであんなに人気なのよ……)
と、先生の周りにはキャピキャピの女の子ばかりだった。先生も普通に笑顔で、たのしそうだから、余計に嫉妬した。
「チーン、餅が焼けました」
そう言ったのは、一緒に歩いていたみきで。
「私がいるから」
とニコりと微笑んだ。
(みき……)
なんだか嬉しくて、にこっと笑うと。
「あんまり無理するな、私がうざいってくらい一緒にいてあげるから、さみしくなくなれぇ~」
と、言われ。私は「うん」と頷いたんだ。
でも、正直……寂しいよ。
みきの優しさでも、この寂しさが埋められないなんて、私はなんて贅沢なんだろう。
――昼休み。
沖縄からきている真奈美さんと、教室で話した。
メールなかなか送れなくてごめんね。と真奈美さんは謝っていた。
お父さんと喧嘩して、携帯を止められたんだとかで……繋がったらすぐにメールをくれると話していた。
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