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そして、時間は過ぎていき……。
――放課後。
「またね」
「またな」
「また明日」
と仲良しメンバーが帰っていくなか、私は残っていた。
少しの時間だけでも、先生と話したかったから。
1人になった教室……先生がくるかもわからないのに、私は教室にいた。
(先生……通らないかな……)
なんて、淡い期待を抱いて。
刻々と過ぎる時間、私は屋上なら先生がくるかもと思い、なんの根拠もなしに屋上にむかった。
(会えたらいいな……)
と思いながら、1棟から2棟に移動し階段を上がり3階まできた時。
「亜紀……」
といきなり、私の名前がささやかれた。
本当にちいさな声で……。
辺りを見渡しても誰もいない、
(ん?)
と屋上への階段を上がろうと、足を動かしたとき。
「亜紀」
とまた呼ばれた。
また辺りを見渡すと、化学室の扉が少し開いていて、そこから先生が手招きしているのが見えた。
(先生!!)
私は、辺りをみわたし……誰もいないか確認してから、化学室に静かに入った。
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