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「もう泣くな……」
と暗闇の中、心配そうに私をみてくる先生は私の頬を流れる涙を指で拭った。
「あいたかったぁ」
と、私がいうと先生は私を優しく抱き締めてくれた……。
暖かい温もりに……先生の匂い……ギュッと力を込めて私も先生の背中に手を回して抱き付くと。
先生はそのまま私を机からおろした。
「亜紀……座るか」
と、言う先生は。
「ちょっと腰にきた」
と苦笑いした。
私達は、また床に座った。
準備室には戻らずに……。
「俺ももう歳だな、中腰はやっぱりきつい」
なんて笑って言う先生に、
「ふふっ」
とおかしくて私も思わず笑ってしまった。
「笑うなよ」
と言う先生に、
「だってぇ」
といい、私達はわらいあった。
それから、学校の話しをしたり、バイトの話しをしたりした。
そして、
「そう言えば、バイト大丈夫か?」
と先生に言われて、私はバイトなのを思い出した。
もう、学校から出ないと間に合わない時間。
「んん~やだぁ~」
と、私はバイトに行きたくなくて。
琢磨にすぐ電話して、バイトをかわってもらった。
そんな私を見て、先生は。
「そんなに、一緒にいたいのか?」
と微笑むから、
「だって、まだ10分も経ってないもん……」
と私はうつむいた。
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