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*◆*抱擁*◆* #2
本当はもう30分くらいは経っていたのかもしれない……でも、私にはとても短く感じたんだ。
私の頭を優しく撫でる先生……。
先生の顔はキレイで……優しく微笑むその顔に……。
私はなんだか胸がチクッと痛んだ。
その理由は、すぐにわかる……。
罪悪感からなんだと……。
私は、先生が今こうして近くにいるから、今日、優先生を見てもドキッと変な気持ちにはならなかった……。
ねぇ先生……私、最低なんだ。
先生が私を想う、気持ちが分かるほど、私の心は……先生に謝っていた。
「どうした?」
と私の顔を覗いてくる先生に……優先生に先生の事を重ねていた事を言ってしまおうか、どうしようか迷った。
「亜紀? 何か言いたい事があるのか?」
先生はどうして、こんなにも私の気持ちが分かってしまうの……。
「先生、私ね……先生の事好きでいていいのかな……?」
私は、こんなにも弱くて……こんなにも、最低で……。
「何言ってるんだ、当たり前だろ」
という先生に、私の感情があふれた。
「だって、私最低だよ。先生がいなくて寂しくて……相沢先生を頼ったり、優先生に先生を重ねたり、優先生にときめいたりしてるんだよ」
一気に出て行くことば……必死に溢れそうな涙をこらえた。
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