*◇*真意*◇* #2

16/26
前へ
/35ページ
次へ
先生の手によって、存在によって、私は守られていた。支えられていた。 しばらくの間、2人共無言だった。 「ねぇせんせぇ?」 「ん?」 「ずっと一緒にいてね」 思わずこぼれた言葉。 「あぁ」 優しく頭を撫でるその手に安心するんだ……。 「そろそろ帰ろうか、今日は説教だな」 と笑う先生に、私はすぐに離れた。 (そうだ……父さん) 私は連絡も何もしていない。すぐに携帯を取り出すと、着信とメールが入っていた。もちろん父さんからで。 ―――――――― 件名: 本文:細川くんとすぐに帰ってきなさい。 ―――――――― 内容を見た瞬間に、鼓動が大きくなった。 「せんせぇ」 メールを先生に見せると。 「今回は許してくれないかもな……でも大丈夫。俺にまかせとけ」 こうして私達は、家に向かった。先生といる事を父さんが知っていた事については、すぐに先生が教えてくれた。 私をバイト終わりに拾う前に、父さんに電話したのだとか、ダメだと言われたらしいが、どうしてもとそのまま電話を切ったらしい。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加