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先生の手によって、存在によって、私は守られていた。支えられていた。
しばらくの間、2人共無言だった。
「ねぇせんせぇ?」
「ん?」
「ずっと一緒にいてね」
思わずこぼれた言葉。
「あぁ」
優しく頭を撫でるその手に安心するんだ……。
「そろそろ帰ろうか、今日は説教だな」
と笑う先生に、私はすぐに離れた。
(そうだ……父さん)
私は連絡も何もしていない。すぐに携帯を取り出すと、着信とメールが入っていた。もちろん父さんからで。
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件名:
本文:細川くんとすぐに帰ってきなさい。
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内容を見た瞬間に、鼓動が大きくなった。
「せんせぇ」
メールを先生に見せると。
「今回は許してくれないかもな……でも大丈夫。俺にまかせとけ」
こうして私達は、家に向かった。先生といる事を父さんが知っていた事については、すぐに先生が教えてくれた。
私をバイト終わりに拾う前に、父さんに電話したのだとか、ダメだと言われたらしいが、どうしてもとそのまま電話を切ったらしい。
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