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先生もやってくれるよね。
なんだか、私を想う気持ちが嬉しかった。
でも、大変な事になった。約束はやぶっちゃったし、この後、私達はどうなっちゃうんだろう。
――――
――
「君は約束を破ったな」
父さんのドスのきいた声に、怖くて先生の隣りでしゅんとしていた。
家についたらすぐに、私達はソファにすわるように言われ、説教が始まったのだ。
「すみません」
と頭をさげる先生に続けて、私も頭を下げた。
「お前たちには、前もちゃんと言ったよな。今は一緒にいるべきじゃないって、なんで約束がまもれないんだ!」
私達が悪い事は分かってる、でもそれは時と場合によるんじゃないかって、私は都合のイイ方に考えた。
今日先生に話していなかったら、私は自分がどうなっていたか分らない。
先生がいたから、私は今こうして普通にしているんだ、と。
「はぁぁ、まったく」
それから説教は30分程続いた。先生は凄く責められて、私も『高校生なんだから、細川くんの立場というものを少しは考えろ』だの、いっぱい言われたんだ。
2人して黙って説教を受けていた。でも、なんだか不思議と、そこまで重い空気ではなかった。前は、あんなに空気が重苦しかったのに……。
「はぁぁ」
父さんの深いため息に、なんだか申し訳ない気持ちになった。きっと呆れられてるんだと、嫌でも思ってしまう。
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