*◇*真意*◇* #2

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「亜紀は着替えてこい」 その言葉に私は席を立った。先生の事が気になり、チラッと見ると、『いっておいで』と言っているかのように微笑み頷いた。 部屋に行き、私はすぐに制服から家着に着替えて、そして、また父さんたちの所に戻った。 時間的に5分から10分だったと思う。その間に何があったのか。 「早く座りなさい」 と座ったのはいいけど、テーブルには私の食事と一緒に先生の分まで準備されていて。 (何が起こったの?) 「ちょっと、父さんは部屋に行ってくるから、食べてなさい」 そういい、父さんはいなくなった。母さんはキッチンで洗い物をしている。 先生をふと見ると、 「食べようか」 と言うから、頷いた。 「いただきます」 「いただきます」 (なんでこんな事になってるの?) そう思いながらも、なんだか聞けないまま黙々と食事をする。トンカツに味噌汁にサラダ、ごはんが胃の中を満たす。 静かな部屋……母さんが食器を濯いでいるだろう音と、たまに私達のお箸がお椀にあたる音だけが聞こえていた。 すると先生はいきなり、小声で、 『頼むトマト食べてくれないか? 苦手なんだ』 と、お願いしてきた。
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