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そんな先生がなんだか可愛くて、
「うん」
と小声で返して、トマトを口の中へ。
「ありがとう」
(先生トマト嫌いなんだぁ~)
嫌いな物を1つ知れて、なんだか嬉しかった。
食事を完食し、私が食器を片付けていた時、父さんが部屋から出てきた。
母さんは私の隣りで、お皿を片付けながら、ニコニコと笑顔だ。
「じゃあ細川くん行くか?」
(行く?)
「はい」
父さんと先生は、玄関の方に歩き出した。
ちょっとまったぁ~!!
「何処いくの!?」
まったくもって状況が良く分らない、私が着替えている間に、もう約束をしていたのか。
「ちょっと、細川くんと出掛けてくる。そういう事だ」
「えっ!?」
「亜紀は、早く寝なさい」
そう言って、先に父さんは玄関に行った。心配で先生を見ると。
「後でメールか電話する」
そう言い父さんの後を追った。2人がいなくなって、母さんがニコニコしながら私に話してくる。
「お父さんったら『細川くんと酒を飲みながら話しをしたい』って言ってたのよ。怒ってはいたけど、案外先生の事気にいっているのかもね」
喜んでいいのだろうか……。
先生が心配で、私は部屋に戻って、連絡がくるまでずっとソワソワしていた。
(父さんに、なんか言われてないかな……)
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