21人が本棚に入れています
本棚に追加
――目が覚めた私は、白い天井に、もう慣れてしまったがかすかにする消毒液の匂いで、自分が保健室にいるんだと思いだした。
どれくらい寝たのか、頭が重い。自分がねている間に、みきとあずさの関係に亀裂が出来ていたなんて、この時は全然おもってもいなくて、自分の事で精一杯だった。
時間を確認しようと、上半身を起こしてポケットを探っていると、カーテンを開ける音が聞こえて、
「あら、起きたの?」
とあやこ先生が顔をだした。そして、
「その分だとまだ教室には戻れそうにないわね」
と一言いうと、気持ちが沈んで、元気のでない私をジッと見て。
「ゆっくりしていきなさい」
と言うと、またカーテンを閉めて行ってしまった。
そんなあやこ先生に甘えて、携帯をポケットから取り出すと、またベッドに横になった。
そして、携帯を確認すると数件のメール、でもそれを開けては見ず、時間だけを確認して携帯を閉じた。
もう4限目が始まる2分前だった。
「はぁ……」
思わずこぼれたため息に、自分が相当まいっているんだと、自覚した。
先生の事を考えて穏やかな気持ちになろうと努力するが、頭の中をしめるのは、あずさの事だった。
最初のコメントを投稿しよう!