21人が本棚に入れています
本棚に追加
その時、琢磨が教室の前を通りかかり、私に気付いて声をかけてきた。
「亜紀、おはよ」
「おはよう」
「あっそういえば、施設に行く話しなんだけど、来週か再来週どう?」
数ヶ月前に、先生が育った場所に連れて行ってくれるって、琢磨が約束してくれていた事を私は思い出した。
「私、予定ないからいつでも大丈夫だよ」
「じゃあ、2人がバイトがないときにしような」
「うん」
そう話して、琢磨は教室へと行った。
(先生が育った場所かぁ……楽しみだな)
教室には続々とクラスメイトが、そろっていった。そしてあずさを除いた仲良しメンバーも皆そろった頃。
先生が廊下を歩いているのを、見つけたんだ。
(あっ先生!?)
先生は、欠伸をしている。
昨日遅かったから仕方ない、と目で追っていると、目があった、でも何も会話はないまま、先生は行ってしまった。
(大丈夫かな……ちょっと顔色悪かった)
心配で、私はメールを打った。
――――――――
件名:大丈夫?
本文:顔色わるかったけど。
――――――――
と、その返事が返ってきたのは3時限目の休み時間。
『昼休み、化学室にきて欲しい』という物だった。
学校でこういう風に会って大丈夫なのかと心配だったけど、私は行くことにした。
最初のコメントを投稿しよう!