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――化学室前。
化学室に入ろうとしたが、鍵がかかっていて入れなくて、私は準備室をノックした。
「はい」
先生の声が聞こえて、ドアを開けると、先生が部屋の中央にあるテーブルでお昼を食べていた。
私はすぐに中に入りドアを閉めて、先生の側に。
「座って」
促されるまま、先生の向かい側に腰かけた。
弁当も持ってきていたため、食べながら話す事になった。
「先生、気分悪くない?」
「あぁ、もう大丈夫だよ。昨日飲み過ぎたからさ……朝最悪だった」
先生の顔色は、確かに朝よりは良くなっていた。
「父さんと飲んでて何か言われました?」
ごはんを口に運びながら、一番聞きたかった事を、きいてみた。
「まぁ……亜紀の事をどれだけ考えているのか、とか、後いろいろ」
あと色々って、私は全てを知りたいのに。
「詳しく教えてください」
真剣な視線を向けるも、先生は内緒だと言って教えてくれなかった。
「ケチ……」
ふてくされていると、そんな私を見て。
「可愛い顔が台無しだな……明日沖縄に帰るから、可愛い顔をいっぱい見ておこうと思ったのに」
(そっか……明日には沖縄にかえっちゃうんだよね)
そう考えると、なんだか寂しくなってきた。
「そんな顔するなよ……」
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