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このまま眠って、起きた時にはあずさと何もなかった時に戻ってたらいいのに……。
と、目を閉じて眠ろうと試みたが、眠気は襲ってこなかった。
(ん~~)
そんな事を考えていると、保健室に誰か来たみたいだった。
「あら、細川先生」
あやこ先生の声に、私の心臓がドキッと鳴った。
(今は会いたくない……)
咄嗟にそう思った。
「木下亜紀さんいますか? 次の授業が英語なので少し様子をみにきたんですけど」
すると、あやこ先生が。
「大丈夫ですよ。というか、男の先生はおことわり、相手は女の子なんですから」
と、先生を止めているようで。
「さぁ帰って」
というと、先生を保健室からだしたようだった。
「まったく、休んで気ぃ抜いてるときに男の人なんてきたら、たまったもんじゃないわ」
と少し怒っているような声が聞こえた。
(よかった)
と安心する私は、あやこ先生に感謝した。
(今は……会いたくないな……)
きっと先生の顔をみたら甘えたくなるだろう、そして、あずさの事を思い出して辛くなるかもしれない。
泣いてしまうかも……。
あずさにまだ何も言えてない自分が、今先生に会う事は出来なかった。
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