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建物の中は、ちょっと古ぼけていて、入口のすぐ正面には2階へと続く階段があった。
田村さんは、私を他の職員に紹介するからといい、職員が集まる部屋へと案内してくれた。
「ここよ」
そう言い、田村さんが扉を開けると、そこはタタミ8畳くらいの広さの場所で、机が中央に5台あった。
そこにいた4名の40代~50代前半くらいの男性3名・女性1名は、すぐに扉に注目した。
「皆に紹介したい人がいるのよ」
田村さんがいうも、琢磨に気付いた人たちは。
「おったっくん」
「男らしくなったな」
と琢磨の元に寄ってきた。
しばらくは、職員と琢磨の久し振りの再開で話しに花が咲いていて。
(なんか、気まずいな……)
と思っていると。
「おったっくんも、彼女が出来たのかぁ~。紹介しに来たのか?」
男性が琢磨の肩を叩きながら、ガハッと豪快に笑った。
それを見て、田村さんは待っていましたと言わんばかりに。
「それがね、たっくんの彼女じゃないらしいのよ。
実は……」
田村さんはみんなに、自分の近くにくるようにと手招きをすると、少し小声で。
「シンの彼女なんだって」
その途端、部屋中に驚きの声が響いた。
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