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そして、2階に着くとすぐに目に飛び込んできたのは、プレイルームと書かれたプレイトがつけられている扉だった。
そこを開けて田村さんは、私達を中へと入れた。誰もいない静かな部屋。
そこの床には、色とりどりの正方形のマットがしいてあり、小さい子が転んでも大丈夫なように安全対策が施された部屋になっていた。
(……)
私はこの部屋を、前に見た事がある。
「ここはね、7歳くらいまでの子が良く遊ぶ部屋よ。
といっても、大体みんなここに集まるのよね。みんな小さい子と遊ぶのが好きみたい。
ここで遊ぶ子たちは、今昼寝中よ」
田村さんは部屋を見回しながら、話してくれた。
「シンはね、ここにずっと入浸っていたのよ」
話しを聞いている中、やっぱりこの場所を知っているという事が、私には引っ掛かっていた。
(私……やっぱり養子?)
不安がどっと押し寄せてきた。
だって、「養子」それ以外の言葉が私の頭には思い浮かばなかった。
どれくらいの時の記憶なのか、はっきり良くわからない。
思い出そうとしても、良く思い出せない。
「亜紀ちゃん?」
「あっすみません」
田村さんに呼ばれ、自分の世界から引き戻された。
「どうしたの? さっきからぼーっとして」
田村さんと琢磨はどうしたのかと、顔を覗いてくる。
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