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*◆*過去*◆* #2
「だって、みんな私の子供だもの」
笑顔で言う田村さんの瞳は、キラキラ輝いていて綺麗だった。
「でも、どうしてそんな事聞くの?」
そう質問され、私はどう答えようか迷った。
そして、
「私の事知ってますか?」
でてきた言葉はそれだった……質問されたのに、どうして質問を返したのだろうか、言ってしまった後に、どうしてこんな事を聞いてしまったのかと、後悔した。
「えっ??」
田村さんは、目を見開いている。
「あっごめんなさい! いきなり変な事いって、違うんです、私ここ知ってるんです!
なんでだか分かんないんですけど、良く覚えてなくて、あぁなんと説明したらいいのか……」
なんだか、テンパってしまって説明できなかった。
「落ち着いて」
田村さんが背中をポンと叩いてくれて。
「私って、なんでここの事知ってるんでしょ?」
と言葉が出た。
田村さんは腕を組み、眉間に皺を寄せながら何かを考えている。そして、
「この施設を知ってるって事?」
「はい」
「でも、私は亜紀ちゃんの事しらないわよ」
なんだか、不安がすーっと抜けたけど、モヤモヤは取れない。
「でも、ここを知ってるのよね?」
「はい……」
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