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「なんだか余裕だなぁ」
そう言ってくる相沢に、亜紀は右手の薬指にある指輪を見せながら。
「だって、彼女だもん」
笑ってみせた、本当は余裕なんてないのに、今だって、笑顔の下で、シンを取られたくない、取られたらどうしようって、不安で仕方ないのに。
でも、それは顔に出しちゃいけない、シンを信じてない事になるから、これ以上、シンを困らせたくない、嫌われなくない。その一心で笑顔で余裕のふりをした。
『また、変な事考えるなよ』
その言葉を信じる。だから、大丈夫。
でも、あのあずさの魅力が怖いんだ。
シンを信じてる……。
でも、信じる事が出来なくなってしまう、事態起こる、ある現場を目撃してしまうから。
あずさのあの怪しい笑み、少しずつ、少しずつあずさの攻撃が始まる。
そして亜紀は、シンを信じていいのか、分からなくなる。
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