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アパートへの道を説明しながら、車はドンドン走っていく。
そんな中、亜紀はあの事を考えていた。
シンに触られるのを拒否してしまう体と、あずさの事……。
『変な事考えるな』そう言われたものの、やっぱり考えてしまう。
もし、自分がシンに触られる事を拒んで、仲がわるくなったら、あずさがそこに付け込んでくるんじゃないのか、そんな変な考えだけが浮かぶ。
そうじゃなくても、あずさのあの可愛さや魅力に、負けてしまうんじゃないか……。
頭の中がそんな事ばかりでいっぱいになっていた。
「ここに住んでるのか」
亜紀が住んでいるのは、5階建ての白いアパート。
階段で3階まで上がると5つの部屋がある、一番階段に近いのが亜紀の部屋だ。
「お邪魔します」
部屋は1LDKで1人で住むには良いぐらいの広さの部屋だった。
亜紀はすぐに洗濯物を隠すと、シンをテーブル前の白いソファベッドに座らせた。
「すぐに準備します」
そう言い、洋服をカバンに入れだした。
その間シンは、部屋の様子をみていた、まだ殺風景だが亜紀らしい。
ソファベッドの側にあるカラーボックスには、下2段は本が並べてあり、上の段には、シンから貰ったポストカードと髪飾り、沖縄に視察で来た時の写真が飾られていた。
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