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「私何か言った!?」
起きてすぐのいきなりの質問に、シンは困って。
「いや、言ってないけど……」
そう言うと、良かったと一言いい、お風呂に入ってくるとバスルームへ。
シンは亜紀がバスルームに消えたのを確認すると、ソファに座った。
そして片手で顔を覆い。
「あれは、反則だろ……」
そう呟いていた。
あのタイミングで、今まで先生と呼んでいた亜紀が『シン』と呼んだ。
ふいをつかれただけあって、こんな歳にもなって何をドキっとしているんだと、自分が笑えてくる。
でも、あの時の亜紀の顔が可愛すぎて頭から離れない。
亜紀が風呂からあがってくるあいだ、シンは気を紛らわせようと、テレビのチャンネルを変えお笑いを出した。
頑張れ俺……。
今にも狼になってしまいそうな自分の感情を必死に押さえ、なるべくテレビに集中するようにした。
だが、かすかに聞こえるシャワーの音が気になってしまう……それが男の性だった。
あぁ駄目だ……。
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