*…再会…*

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 ほっ。  今日の所はなんとか乗り切れたと思った亜紀は、自分を抱き締める腕をみたあと、手を触った。 大きい手……。  薬指には指輪がちゃんとつけられている。 「ん? どうした?」  後ろから聞こえる声……シンが口を動かす度に、顎が頭に当たっているからか、亜紀の頭が少し揺れた。 「手、大きいなぁって思って」 「亜紀は小さいもんな」  そして、手を合わせてくる。 「握っていい?」  亜紀は自然とそう言っていた、するとシンは。 「俺が握ってやる。おやすみ亜紀」  といい、手を包むと抱き締め直し、静かになった。  温かくて幸せで……。  2人は静かに眠りについた。 ――あれから、シンは新年度を迎えるための準備があると、仕事が忙しくなり、亜紀と会う機会が減っていた。  亜紀も亜紀で、学校に通う準備をしなくちゃいけなくて、なんだかんだパタパタと毎日を過ごしていた。  そして4月に入り。  シンの学校、亜紀の専門学校でも入学式が行われた。 「というか、なんで俺はまたここなわけ?」  1年振りに帰ってきたというのに、シンがいるのは音響の機会の前。  今年はゆっくり入学式が見れると思っていたが、シンの考えは甘かった。
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