*…小さな嘘…*

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「あれ? いないぃ~」  まだ帰ってきてないのかと思ったけど、窓も開いているし、テーブルには飲みかけの水に、財布まである。  まさか……。  変な妄想が頭の中を駆け巡る、あずさの所にいるんじゃないかと、マイナス思考の亜紀の頭が暴走し始めた。  まさか、違う!!  思いっ切り首を横にふり、今考えていた事を吹き飛ばし。  きっとタバコを買いに行ったんだ!!  と思った。でも……財布はテーブルの上にある。 「もう、おっちょこちょいだな!!」  そう言い、財布を手にとると、タバコを買いに行ったのかも分らないのに、財布がなくて困っているだろうと、届けに行く事にした。  多分、近くにコンビニがあったから、そこだろう。  鍵を閉めて、エレベーターに向かう、あずさの部屋の前を通る時、物凄く気になったが。  違う違う違う。  そう言い、エレベーターまで歩いた、そして1階へ。  シンの姿はまだ見えない。  コンビニまでの道でも、コンビニでも、シンには会えなかった。 「なんで居ないの??」  また来た道を戻る、もう仕方ないからシンの部屋で待っていよう。エレベーターにのり、そう思っていた。  降りるまでは。  そう、思っていた……。
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