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――あれから、数日。
今日はシンが帰って来る日。この日をどれだけ待ち焦がれていたか。
「ふふふっ」
嬉しすぎて笑みがこぼれる。
「亜紀きもいよ……」
そんな亜紀をバックミラーで見ながら、相沢が言った。
今から、相沢と優と亜紀、3人でシンを迎えにいく。
あれから亜紀は毎日、『シン』と呼ぶ練習をしていた、練習なんておかしいかもしれないけど、少しでも恥ずかしさを消すため。
「本当にキモい」
嬉しくてニヤニヤしてる亜紀に、相沢は眉間に皺を寄せながら、勘弁してくれよと、とても嫌そうにしている。
仕方ない、嬉しいんだから。そう思いながら、優の事を見る亜紀の目には、優が肩を小刻みに揺らし笑っているのが見えた。
そして、空港につき、到着ロビーでシンの帰りを今か今かと待っている。
「おそいなぁ~まだかなぁ~」
「あ゛っ!? まだ飛行機すらついてねぇよ。まったく」
相沢は呆れていた。それから20分後に到着時間10分遅れで飛行機が到着。
ゾロゾロと出てくる人、その人込みの中からシンを一生懸命探す。
出口は3か所あって、亜紀は真ん中の出口を探していた。
見えないぃ~。
こういう時、身長が低いのは、嫌だと感じる。
今までチャームポイントだと思っていたけど、こういう時は……欠点でしかない。
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