*…触れたくて…* #2

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「いただきまぁ~す」  テーブルで向かいあい、料理を口に運ぶ。 「おいしいか?」 「ふん、ほいしい」  亜紀はチャーハンを頬張りながら、話すためちゃんと発音できていない。 「よかった」  彼女の幸せそうな顔を見ると、こっちまで幸せになる。亜紀は黙々と料理を口に運ぶ。会話はあまりなかった。 「ご馳走さまでしたぁ。お腹いっぱい」  食べ終わるとお腹をポンと叩いて、亜紀は食器を片付けるからと、シンをお風呂へと行かせた。 (やっぱりシンは料理うまいなぁ~)  シンがバスルームへ消えた後、お皿を洗いながら、そんな事を考えていた。これから自分が窮地に立たされるとも知らずに。 ――「ふぅ……さっぱりした」  お風呂から上がってきたシンは、ソファでテレビをみている亜紀の側にいき座った。 「いいにおい」 シンが座った途端に、石鹸の香りが亜紀の鼻をかすめる。シンはニコリと笑いソファに深く座り直した。 「このテレビ面白いよ」  テレビにはお笑い番組がでていた。ピンクの洋服をつけたゴッツイ男が、「トゥスッ」と指を立てて言っている。 「あはは」  亜紀はそれを見て笑っていた。
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