*…触れたくて…* #2

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「うっ……」  相沢はそっと亜紀の肩を抱いて。 「大丈夫だよ……」  そう優しく声をかけた。  その声は、なぜだかスッと耳に入ってきて、感情を押さえていた蓋を、簡単に開けてしまうんだ。  映像が次々と流れ出す、感情が次々と押し寄せる。  自分はこんなに弱い人間だったんだと、改めて気付いた。  でも、どうして強くあろうとするのか、それはシンに嫌われたくない。そう思うから。  自分のためなんだ……。  シンに嫌われる事が……一番怖い。 「大丈夫だから……なっ」  亜紀の頭をあいていた手で撫でてあげる相沢の優しい手。そんなに優しく出来るのは『君だからなんだ』そう相沢もまた複雑な気持ちだった。  それから暫く経って、亜紀は泣きつかれたのか、静かに眠った、相沢の腕の中で……。
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