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「うっ……」
相沢はそっと亜紀の肩を抱いて。
「大丈夫だよ……」
そう優しく声をかけた。
その声は、なぜだかスッと耳に入ってきて、感情を押さえていた蓋を、簡単に開けてしまうんだ。
映像が次々と流れ出す、感情が次々と押し寄せる。
自分はこんなに弱い人間だったんだと、改めて気付いた。
でも、どうして強くあろうとするのか、それはシンに嫌われたくない。そう思うから。
自分のためなんだ……。
シンに嫌われる事が……一番怖い。
「大丈夫だから……なっ」
亜紀の頭をあいていた手で撫でてあげる相沢の優しい手。そんなに優しく出来るのは『君だからなんだ』そう相沢もまた複雑な気持ちだった。
それから暫く経って、亜紀は泣きつかれたのか、静かに眠った、相沢の腕の中で……。
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