*…触れたくて…* #2

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「めんどくさいよね……私」 「そんな風に思ってない」 「お願い……そんな顔しないで」  一体自分はどんな顔をしているのか、それすら分らない。  思わず目を閉じてしまった。自分が自分じゃなくなりそうで、苦しくて悲しくて自分が許せなくて。  深呼吸を繰り返していた。 「シン……?」  不安気な声、シン同様、亜紀もどうしたらいいのか、分らずにいた。  沈黙が続く……。  亜紀は絶えきれないというように、泣きじゃくる。嗚咽が聞こえてきた。 「お願い……なんか言って」  目を開けると一生懸命涙を拭いている亜紀の姿。なんて自分は酷い人間なのか、亜紀を放っておいて。 「ごめん」  そう言い、亜紀を抱き締めた。 (どうすればいい……) ――亜紀は一時間ほど泣いて、疲れたのかシンの腕の中で黙っていた。 (どうなっちゃうんだろう……)  シンは何を考えているんだろうか。亜紀は顔をあげてシンを見た、視線が合う。 「お願い……キスして」  亜紀の言葉にシンは目を見開いた。が次の瞬間、亜紀が唇を重ねる。腕をするりと首に回して、自ら深く口づける、体重をシンの体に預け、シンは倒れそうになり、後ろ手をついた。
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