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「亜紀!」
唇が少し離れた瞬間、シンは、どうしてこんな事をするのかと、亜紀の名前を呼んだが、すぐに口は塞がれる、亜紀らしくない……。
シンは亜紀を止めようと、体重を前に倒おすために、ベッドを手で思い切り押した、そのすぐあと亜紀の肩を掴まえて引き放そうとしたがうまくいかず、そのままベッドに背中から倒れた。衝撃はそれほどなかったものの、亜紀が上に乗っかっている状態だ。
亜紀の手はいつの間にか首から離れて、シンの顔の横に両手がつかれていた。亜紀の顔がすぐ真上にある、髪が顔をサラッと撫でた。
「亜紀……落ち着いて」
「私は落ち着いてる……」
「亜紀らしくない」
「私らしくないってなに?」
また亜紀の瞳には涙が溜まってきた。
「私はシンに触れたいの……触れて欲しいの! でも嫌なの、良く分んないの!」
シンは亜紀の左頬に右手を添えた。亜紀が落ち着くようにとそうした。
「俺はお前に触れたい……でもお前が嫌がるなら、触らない」
そう言い、頬から手を移動し、亜紀の長い髪を耳へとかける。
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