*…触れたくて…* #2

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「焦らずゆっくり、克服していけば良い……。だから別に泣く事ない。俺と一緒にがんばろう」  シンの言葉に、亜紀はポタポタと涙を流す、その涙はシンの頬に数滴落ちた。 「泣かなくていいから」  そう頭を引き寄せて抱き締める、亜紀は泣きながら。 「一緒に頑張る……」  と呟いた。 ――あれからどれくらい経っただろう。亜紀はシンの腕枕で寝ていた。泣き疲れたんだろう。  シンは腕枕をしている手で、優しく亜紀の頭を撫でる。  もう片方の手は、自分の胸辺りにある亜紀の手を握っていた、その状態に少し安心感みたいな物を感じている自分は、繋がっている手を信じているからだろうか。  手と手。  目に見える確かな物だからこそ、安心するのかもしれない。  心と心。  繋がりなんて、目に見えない。それに、本当に繋がるという事なんてあるのだろうか……自分がそう思っているだけで、実に不確か。  だから怖いのかもしれない。  だから触れたいのかもしれない。  触れたい。  触れたい、  触れたい。  それは君が愛しいから……。  何処かで繋がりたいと思うから。  気がつけば、繋いだ手をギュッと握っていた。
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