*…花火…* #2

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 でもそのすぐ後に、さっきとは逆で温かさより冷たさをもつ液体が、下へ下へと流れていくのを感じた。  シンもシャワーに打たれている……もう二人ともさっきよりもビショビショだった。 「亜紀……顔あげて」  亜紀はなかなか顔をあげない、するとシンは亜紀の顎を掴みクイッと上へと向ける。 「やっと顔が見えた」  シャワーの打ち付ける音が、響いている。髪からも雫がポタポタと落ちていく。 「泣くな……」  シンは亜紀を抱き締めた。すると亜紀も腕をまわして抱き付く。 「あの女の人……誰?」  シンの胸に顔を押し付けて、亜紀は聞いた。 「あの人は元カノだ」  そう言った瞬間、亜紀はシンから離れようとしたが、シンは力を強めて亜紀を離さなかった。 「勘違いするな、何もないから。俺には亜紀だけだろ?」 「本当に?」  顔をあげた亜紀は、ジッとシンを見つめた。視線が絡まる。 「当たり前だろ……」  でも、亜紀は納得していない、シンの事を不安そうに見ながら。 「でも……なんで一緒にいたの?」  それからシンは亜紀をなだめるように、ゆっくりと説明した。
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