*…花火…* #2

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「亜紀から風呂入って、風邪引いたら俺が嫌だから。そのまえに……ちょっと目閉じててくれるか? 俺服脱ぐから、このままリビング戻れないし」 「う……うん」  亜紀は壁の方を向いて目を閉じていた。シンはその間に洋服を脱ぐとタオルを巻いて、電気をつけバスルームを出て行った。  ドアの閉まる音が聞こえて、10秒後……やっと亜紀は目を開く事ができた。 「はぁ……」  体の力が抜けたのか、その場に座り込む。ドキドキする心臓に手を当てて、何度も深呼吸をした。  それから、順番に風呂に入り、シンは洋服を持ってきていなかったため、上半身裸にタオルを巻いている状態だった。 「ミスった……これじゃ何処にも行けないし、洋服取りにも戻れない」  そう呟くシン。亜紀はシンの事を一度も見ないし、なんだか気まずい。 「わ……私……ちょっとコンビニ行ってくる」  亜紀は早足で部屋を出て行った。 「ドンマイおれ~」  そう言い、シンは自分を慰めていた。 ―― (無理無理無理、無理!!)  亜紀はコンビニに向かいながら、何度も心の中で連呼している。  シンの裸を見るなんて恥ずかしくてしかたがなかった。絶対に顔を見たとしても視界に入る、絶対に顔が赤くなる、そう思うと部屋にいるという事が出来なかった。
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