*…花火…* #2

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*…花火…* #2

「……んっ」  目が覚めた時、隣りにはちゃんとシンがいた。 (あのまま寝ちゃったんだ……)  腕枕の居心地が良くて、亜紀はそのまま動かなかった。昨日のシンの言葉が、頭の中に流れる。 『俺と一緒に頑張ろう』  まさか、あんな言葉を言われるなんて思わなかったから、もの凄く嬉しくて。 (シンで良かった……)  やっぱりシンで良かったと、改めて思った。  そして、もう少し眠る事にした。シンの温もりに包まれて。 ―― 「亜紀、起きて」  亜紀はシンに揺すられて目が覚めた。 「おはよう」  いつものシンの笑顔に、亜紀も挨拶を返す。なんだか気まずくなりそうだと思っていたが、いつもと変わらなかった。 「もうすぐで10時だけど、朝とお昼、ご飯一緒にする?」  シンはベッドから抜け出しながら聞いてくる。 「うん」  亜紀も起き上がり、寝室から出ていこうとするシンの後を追いかけた。 「何にしようか?」 「ん? なんでもいいよ」 「何でもいいが、一番困るんだよなぁ~」  それから2人で冷蔵庫の中を確認し、ハムエッグを食べる事になった。  食卓に着き、黙々と食事をする2人。 「ケチャップついてる」  シンはそう言うと、亜紀の唇のしたにちょっと付いていたケチャップを人差し指でサッと拭いた。
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