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*…花火…* #3
「そんな事言わずにさ」
麗子の前に立ちはだかる男。
「彼氏と約束してるんです」
そう麗子が言うのも聞かずに、男たちは逃げないようにと2人を取り囲む。彼氏と言ったが実際は誰とも約束なんかしていなかった、その場しのぎの嘘に男たちは気付いているのかもしれない。
「ねっ!! 俺たちの方がきっと楽しませてあげられるからさ」
(怖い……)
亜紀は麗子の手をギュッと握った。それに麗子も手をギュッと握り返す。その時だ、
「ちょっとそこのお兄さんたちぃ~、人の連れになにしてんのかなぁ~?」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「あぁあ?」
男達の1人が不機嫌そうにいい、声の方を向いた、亜紀たちもその方向を見た。
「さっさと散ってくんない? うざいからさぁ~」
いつもの軽い口調。
「はぁ? ウザイのはお前」
男1人が胸倉を掴んだ。すると、手首を掴み。
「そんな事したら、ただじゃすまないよ」
ニコリと笑いながら言ったのは、龍の絵が入っている甚平をつけた相沢だった。
「やんのかテメェ!!」
「別にいいけど……知らないよ?」
相沢先生は売り言葉に買い言葉を返している。すると相沢の肩を叩いて。
「相沢やめろ」
止めに入ったのはシンだった。
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