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それから、手を繋いで家まで帰った。
「楽しかったね」
「あぁ」
ベッドに座って寛ぐ2人、次第に亜紀は眠くなってきた。欠伸をしていると、シンは『もう寝たほうがいい。疲れたんじゃないか?』と声を掛けてくれる。
亜紀はベッドに寝そべった。シンは座ったままテレビを見ている。その時、シンの携帯が振え、シンはベランダに出て話していた。
「だから、今日も帰らないって言っただろ」
会話から元カノだろうと亜紀には分かった。
「あぁ、っていつまで居る気だよ」
「はいはい」
「あぁ」
いつの間にか、シンの声に集中していた。
それからしばらくして、電話を終えシンが部屋に戻ってきた。声が聞こえていたため亜紀は物凄く気になってしまい、シンを見ると目があった。
「ん? 気になる?」
亜紀の視線に気付き、そう言うとシンはベッドに座った。
「ん~ちょっと気になる」
亜紀は起き上がりシンの隣りに座った。
「元カノ、家に来てるって言っただろ。いつ帰ってくるのかって電話だった」
「そうなんだ……」
「帰らないっていったよ」
「いつまでいるの?」
その質問にシンは少し顔をしかめた後。
「多分……明日かな。もう追い出す」
そう答え亜紀の頭を撫でた。心配するなという意味なんだろう。
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