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「おはよう」
「おはよう」
花火大会の翌日、2人は8時頃、目を覚ました。それから軽く食事を取り、シンは電話をしていた。仕事が残っているらしく、今日は日曜だと言うのに出勤するらしい。
電話の相手は元カノで、車をもってきて欲しいとお願いをしていた。
「元カノさん、来るの?」
「あぁ」
「そうなんだ」
「ただ車を持ってきて欲しいと頼んだだけだから。アイツに車もたせてたら、仕事にも行けないし、デートにも行けないだろ?」
シンが元カノの事を『アイツ』と呼んでいるのが、少し気になったが、亜紀は「デート行きたい」と笑顔で答えていた
『アイツ』そう呼ばれる程、元カノは親しい人なんだ……。そう考えてしまう。
「じゃあお昼迎えにくるから。準備しといて」
シンはそう言い残し、行ってしまった。亜紀はすぐにベランダに行き、シンの車を探した。
すると、アパートの入口の方に入ってきたのを発見。シンはそのまま助手席に乗り込み、こちらを1度も見ないまま行ってしまった。
今……車の中は2人きり。
そう考えると、とても心が苦しくなって、手を思い切り握りしめていた。
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