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シンはビールをいっきに空けると、カップを握りつぶしゴミ箱に投げ入れた。そして亜紀たちのとこへ行く。
シンが金魚すくいを覗くと、3人はポイを片手に、金魚たちと闘っていた。
「よっしゃぁ~、1匹!」
最初に掬い上げたのは相沢である、亜紀のポイはすぐに穴が空いてしまった。麗子はゆっくり慎重にやっていたが、大きな金魚がいきなり突進してきて、穴が空いた。
「あぁあ」
2人ともがっかりしている、相沢は2匹目をゲットしていた。
「いいなぁ~」
そう言い出す亜紀に。
「欲しい?」
と聞く相沢。亜紀は首を縦に振り目をキラキラさせて頷いている。
「麗子は?」
いきなり相沢が呼び捨てにしたため、麗子はビックリしたのだろう、一瞬目を見開いたが、ニコリと笑い頷いた。
「じゃあ、ちょうど2匹だし。おじちゃん、1匹ずつ袋にいれてくんない?」
「あいよ! お兄さんモテモテだね」
金魚掬いのおじさんは、2つに別けて入れてくれた。先程からムカついていたシンは、ますますムカついていた。
「おじさん、俺も1回」
シンはポイを受け取ると、ゆっくり金魚を狙い始めた。
「おっ!! 細川も挑戦です。さて何匹とれるか!?」
相沢はシンの気持ちも知らずに、楽しそうだ。
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