*…花火…* #3

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 シンはビールをいっきに空けると、カップを握りつぶしゴミ箱に投げ入れた。そして亜紀たちのとこへ行く。  シンが金魚すくいを覗くと、3人はポイを片手に、金魚たちと闘っていた。 「よっしゃぁ~、1匹!」  最初に掬い上げたのは相沢である、亜紀のポイはすぐに穴が空いてしまった。麗子はゆっくり慎重にやっていたが、大きな金魚がいきなり突進してきて、穴が空いた。 「あぁあ」  2人ともがっかりしている、相沢は2匹目をゲットしていた。 「いいなぁ~」  そう言い出す亜紀に。 「欲しい?」  と聞く相沢。亜紀は首を縦に振り目をキラキラさせて頷いている。 「麗子は?」  いきなり相沢が呼び捨てにしたため、麗子はビックリしたのだろう、一瞬目を見開いたが、ニコリと笑い頷いた。 「じゃあ、ちょうど2匹だし。おじちゃん、1匹ずつ袋にいれてくんない?」 「あいよ! お兄さんモテモテだね」  金魚掬いのおじさんは、2つに別けて入れてくれた。先程からムカついていたシンは、ますますムカついていた。 「おじさん、俺も1回」  シンはポイを受け取ると、ゆっくり金魚を狙い始めた。 「おっ!! 細川も挑戦です。さて何匹とれるか!?」  相沢はシンの気持ちも知らずに、楽しそうだ。
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