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1分程たち、結局シンは1匹しか取れずに、相沢に軍配があがった。
「ふっふ~ん、俺の勝ちぃ~」
自慢気に言う相沢。それにますますムカッとくる。
「それでシンちゃん、その金魚俺にくれんの?」
そう目をキラキラさせる相沢に、シンは仕返しとばかりに。
「ウザイ」
と一言。その後、
「亜紀、袋貸して」
亜紀の袋へと入れた。
相沢は不満をタラタラと漏らしていたが、すぐにおさまった。亜紀の持つ袋の中で金魚が2匹泳いでいる。それをみた店のおじさんは、麗子の金魚が1匹なのを見て、1匹オマケしてくれた。
金魚を見ながら微笑む亜紀、シンはその姿を見て少しムカつきはおさまった。
それから花火をみるために、場所取りをする事にした。相沢がとても良い場所を知っているということで、そこへ向かう。
下駄のカランコロンという音が、あちこちで聞こえ、亜紀はウキウキしていた。
どれくらい歩いたのか、相沢が言っていた場所は、祭り会場から少し離れた場所だった。
「ここあまり人いないんだよね」
相沢は色んな絶景ポイントを知っていたりする。しかも、あまり人には知られていない場所も知っている、何処からそんな情報を入手しているのか、シンは不思議だった。
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