*…花火…* #3

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――「何買うの?」  コンビニに着いてすぐに亜紀は質問しながら、シンの後ろをついて歩いた。 「ん? 聞きたい?」 「うん」  シンはピタッと止まり、棚を指さした。 「花火」 「へっ?」 「したくない?」 「したい!!」  花火を選び精算をしてお店を出た。それから近くの広場で花火をした。 「キレイ……」  シンと花火をするのは2回目だ、初めて花火をしたときはまだ、微妙な関係だった。好きだけど一緒に居れない、居ちゃいけない。そんな微妙な関係。今思い出すと、その頃が懐かしく感じる。 「あっ線香花火もある」 「今度は落とすなよ」  2人顔を見合わせて笑った。最後に線香花火を残し、ほかの手持ち花火をすべて終わらせ。 「お願い事しなきゃ」 「そうだな」  それぞれ願いを込めた。 『亜紀とずっと幸せでいれますように』 『シンとずっと一緒にいれますように』  火がつくと、丸い玉をつくりパチパチと弾ける。 「あっ!!」  亜紀の丸い玉は途中でポタッと落ちた。シンのものは最後まで燃え尽きる。 「そんなに落ち込むな。大丈夫だから、俺の願いは叶うみたいだし。きっと亜紀の願い事も叶うよ。ってお願いが一緒の場合だけどな」 「なんてお願いしたの?」 「秘密」 「もう、秘密ばっかり」  亜紀は同じであるといいなと、笑った。シンもまた同じ気持ちだった。
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