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――「何買うの?」
コンビニに着いてすぐに亜紀は質問しながら、シンの後ろをついて歩いた。
「ん? 聞きたい?」
「うん」
シンはピタッと止まり、棚を指さした。
「花火」
「へっ?」
「したくない?」
「したい!!」
花火を選び精算をしてお店を出た。それから近くの広場で花火をした。
「キレイ……」
シンと花火をするのは2回目だ、初めて花火をしたときはまだ、微妙な関係だった。好きだけど一緒に居れない、居ちゃいけない。そんな微妙な関係。今思い出すと、その頃が懐かしく感じる。
「あっ線香花火もある」
「今度は落とすなよ」
2人顔を見合わせて笑った。最後に線香花火を残し、ほかの手持ち花火をすべて終わらせ。
「お願い事しなきゃ」
「そうだな」
それぞれ願いを込めた。
『亜紀とずっと幸せでいれますように』
『シンとずっと一緒にいれますように』
火がつくと、丸い玉をつくりパチパチと弾ける。
「あっ!!」
亜紀の丸い玉は途中でポタッと落ちた。シンのものは最後まで燃え尽きる。
「そんなに落ち込むな。大丈夫だから、俺の願いは叶うみたいだし。きっと亜紀の願い事も叶うよ。ってお願いが一緒の場合だけどな」
「なんてお願いしたの?」
「秘密」
「もう、秘密ばっかり」
亜紀は同じであるといいなと、笑った。シンもまた同じ気持ちだった。
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