28人が本棚に入れています
本棚に追加
だって、もうどうでも良い。
シンが側にいてくれたら、それで良いのだから……。
目の前にいるこの人が大好き……ただそれだけ。
どうして今まで馬鹿みたいに、変な事ばかり考えていたんだろう……。
今までの事が嘘のように、シンに身をゆだねていた。
何も考えなかった訳じゃない、考えられなかった。ただシンの愛を受け止める事で一生懸命だった。
「……んっ」
「亜紀……」
夢の中にいるような感覚。
途中、痛みで現実に戻される時はあったが、シンの優しさに包まれて。2人はようやく体を重ねる事ができた。
――――
――
「すーっすーっ」
一定の間隔で聞こえてくる寝息。シンはシーツにくるまっている亜紀を見ていた。
(可愛い……)
やっと亜紀に触れる事が出来た、この嬉しさ。何故今日乗り越える事が出来たのか、シン自身よくわからない。
「ん……シン……」
寝言で名前を呼ぶところが、ますます可愛くて。
亜紀のおでこにキスを落とした。
最初のコメントを投稿しよう!