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「なにしてるの?」
そこに麗子登場。亜紀の頭を撫でている明智を見て、冷たい視線を向けたが、明智はそれでも撫でている手を止めない。
「なんか妹みたいで、つい……」
「妹いたっけ?」
「いないけどさ」
そういうと手を止め、前を向いた。麗子は亜紀の隣りの席に座り、明智の行動を不可解だとおもった。
「まさか……亜紀を好きとかじゃないよね?」
明智の背中に話しかける。すると、振り返りもせずに。
「好きだよ。女としてじゃなく、妹みたいな感じで」
「どういう意味?」
「なんか亜紀といると、お兄ちゃんになった気分になる。不思議だよな。保護者みたいな感覚? 保護者なんてなった事ないけどさ」
「ふふふっ、なんだか分かるような気がする」
亜紀の寝顔を見て麗子は笑った。
――「亜紀起きて」
「まだ眠い……」
「もう授業終わっちゃったよ」
麗子の言葉に、亜紀はガバッと起き上がった。
「えっ!? うそ!?」
「本当」
亜紀はあのまま午後の授業を受けずに、爆睡していた。
「どぉ~しよぉ~成績下がっちゃう」
「大丈夫だよ。午後は自習だったから」
「そうなの?」
「だから起こさなかったの」
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