*…sugar…*

9/14
前へ
/35ページ
次へ
「なんだぁ~良かった」  それからカバンに筆記用具などをしまい、亜紀は帰る事にした。麗子と途中まで一緒に歩く、学校から出た後少ししてから麗子を迎えに、黒くていかにも高級そうな車がやってきた。 「じゃあ麗子またね」 「本当に乗ってかないの?」 「大丈夫。シンに連絡もいれたいから」 「わかったまた明日ね」  そして亜紀は1人になった。いつもの帰り道、いつもと変わらない風景。シンに電話しようと考えながら歩いていると。 「あぁ!? ふざけんなよ。お前ら誰に口聞いてんだ?」  大きな怒鳴り声が聞こえた。数メートル先に片手にビールをもった中年の男が、数名の店員と揉めている。 「おい! どうした、かかってこいよ」  そして近くにあった、ゴミ箱を蹴り飛ばした。 ――ビクッ。  思わず亜紀の足は止まり、その場所に釘付けになる。 「おらっ!!」  そして、ビールの缶を投げ捨てると、その人は暴れだした。 (怖い、早く逃げなきゃ)  そう思うのに何故か足が動かない、変わりに足がガタガタとふるえ、手までもふるえだした。 (逃げなきゃ)
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加