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「なんだぁ~良かった」
それからカバンに筆記用具などをしまい、亜紀は帰る事にした。麗子と途中まで一緒に歩く、学校から出た後少ししてから麗子を迎えに、黒くていかにも高級そうな車がやってきた。
「じゃあ麗子またね」
「本当に乗ってかないの?」
「大丈夫。シンに連絡もいれたいから」
「わかったまた明日ね」
そして亜紀は1人になった。いつもの帰り道、いつもと変わらない風景。シンに電話しようと考えながら歩いていると。
「あぁ!? ふざけんなよ。お前ら誰に口聞いてんだ?」
大きな怒鳴り声が聞こえた。数メートル先に片手にビールをもった中年の男が、数名の店員と揉めている。
「おい! どうした、かかってこいよ」
そして近くにあった、ゴミ箱を蹴り飛ばした。
――ビクッ。
思わず亜紀の足は止まり、その場所に釘付けになる。
「おらっ!!」
そして、ビールの缶を投げ捨てると、その人は暴れだした。
(怖い、早く逃げなきゃ)
そう思うのに何故か足が動かない、変わりに足がガタガタとふるえ、手までもふるえだした。
(逃げなきゃ)
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