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体が動かず、ただ震えだけが大きくなる。体中から変な汗がわき出てきた。
(怖い……)
すると、暴れていた酔っ払いと目があった。
「何見てんだよ!!」
そう言い、こっちに向かって歩いてくる。だけど足が動かない。呼吸が次第に早くなり苦しくなってきた。
「ハァハァハァっ」
周りの人たちが、男を止めるが、男は邪魔をするなと振り払い、もうすぐ亜紀の目の前だ。
(苦しい……逃げなきゃ……)
息苦しくなり、その場にしゃがみ込んでしまうと、男は亜紀の方へ眉間に皺を寄せながら、やってくる。もう1メートルもないという所で間一髪、男は店員に押さえられた。
目の前で暴れようとする男……近くにきたため酒くさい匂いが鼻に付く。すると増して息苦しくなり、亜紀はそのまま倒れてしまった。
(こわ……い)
そして意識を失った。
「おい、お姉ちゃん大丈夫か!?」
周りの野次馬が亜紀を保護する。
「おらぁー!! お前ら離せぇー!!」
酔っ払いは、押さえ付けられても暴れ続けていた。
亜紀は近くの喫茶店の中に運ばれ、長椅子の上に寝かされた。そこの店主がかくまってくれたのだ。意識は戻らないまま……店主が冷たいタオルなどをテキパキと用意している。
そして、亜紀の頭にのせた。
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